【2023年】主人公が本当に悪役の漫画・小説おすすめ2選

「悪役(悪人)が主人公の漫画・小説が読みたい!」

探し続けているのでですが、おすすめできるレベルの作品はほぼありません。

この2選は自信をもっておすすめできるのでご参考ください。

しゅくせい! ~悪役令嬢なので下賤な民を教育します~ 評価:98

悪役令嬢に転生したカルラは暗殺されてしまう未来を避けるため、粛清を繰り返して死亡フラグを回避することに決めた。
評判なんてどうでもいい。
むしろ重要なのは暗殺を物理的に防ぐための武力である。
そのように結論したカルラは軍事や政治に口出しして方々で暴れまわり、気が付けば原作の悪役令嬢よりもひどい悪評が広まってしまうことに。
原作よりもさらに悪役になった悪役令嬢のお話。

出典しゅくせい! ~悪役令嬢なので下賤な民を教育します~』

小説家になろうサイト 「しゅくせい!」

当に凶暴な悪役令嬢のお話です。

ゲームの悪役令嬢と前世の記憶がまじりより凶暴化してしまいました。

悪役令嬢カルラは、公爵家の権威を背景に容赦なく粛清していきます。

弱った他領地から搾取したり、恐怖でまとめるために適当な平民をスケープゴートにしたり、平民の教育のために100人単位で首を切ったりと容赦がありません。

ネタバレありのシーン抜粋(荒くれどもを恐怖でまとめるカルラ様)

「ちっ、いいか嬢ちゃん。俺らはてめーに従ってるわけじゃないぞ。本来ならおまえごときに使われる俺たちじゃねーんだ。ビローさんが言うから従ってるんだ。そこを勘違いするなよ?」
「ふうん?」

私はちょっとだけ考えて彼の発言を咀嚼します。

 あまりにも意味不明なことを言われて理解がおぼつきませんでしたが、なるほど、それが賤民界における信仰なのかもしれません。

 みじめな自分を認めたくなくて、自分たちのリーダーを世界の王であるかのように錯覚することで心のバランスを保つ。
 それが貧民教の道義なのでしょう。
 色鮮やかなほどに底辺らしい発言です。
 この惨めさ、圧倒的な負け犬感はしかし、すごいです。
 私は感動を胸にしてうなずき、傍の護衛に視線を送ってから彼を指さしました。

 男はあっという間にひきたおされてしまいました。
 護衛さんが胸の肋骨を蹴り折ります。
 私がピッと顔の横で指を立てると、耳を引きちぎってくれました。
 悲鳴。
 絶叫。
 失禁。
 あらあら、おもらしだなんて。
 もうすこし礼儀だけでなく行儀も学んでおくべきでしたね。

~中略~

「ビローさん」

 私は子供に言い聞かせるようにして話します。

「彼が私になめた口をきいてきたのは、あなたが普段からそのような態度をとっているからなのでしょう。貴族みたいな現場もしらない世間知らずどもは、ギルドをまとめている俺には頭が上がらないんだとか、まあそんな感じですね。彼がそれを信じるのはいいですよ。公爵家の跡継ぎという地位が実際にどの程度のものなのか、理解する頭がないのは下賤の民であればしかたがない。だから、彼の仲間や知り合いまで罰するつもりは私にはありません」

 こう見えても私、下々の者には寛容なのです。

 慈愛あふれるカルラちゃんなのです。

出典『しゅくせい! ~悪役令嬢なので下賤な民を教育します~ 2章第5話「恐怖でまとめる」
ネタバレありのシーン抜粋(悪役令嬢の汚名に憤慨するカルラ様)

 私だってがんばってるんです。
 領地をよくしようとしただけだったのです。
 なのに誰もわかってくれません。
 人の評価というのは冷たいものですね。

 まったくもう。
 まったくもうもう。
 まったくもうもうもう!!!

 なんなんですか!

 ひどいです!
 これはあんまりだと思います!
 私みたいな善人に悪役令嬢の濡れ衣を着せるだなんて!

 ちょっと100人単位で首を切っただけなのに!

 そりゃー解雇じゃなくて殺害だから恨みもひとしおでしょうけれど、あいつら組織の最底辺だったんですよ!
 害虫ですよ!
 リストラ候補最上位どころか、横領罪でブタ箱行きのやつらですよ!

 死ぬべき人は死ぬべきなんです!
 他の文官さんだって上のポストが空いたし、仕事がやりやすくなったし、領地は発展に向かって動いているし!
 いいことばっかりじゃないですか!
 なんで嫌われ役なのです!?
 むしろ私に感謝すべきだろー!!!

出典『しゅくせい! ~悪役令嬢なので下賤な民を教育します~ 5章第1話「カルラの超悪いうわさ」

貴族の価値観、支配者の目線で語られた珍しい切り口です。

「小説家になろう」の中で最も面白かった作品です。

2018年に更新が止まって未完です。続きを渇望していましたが諦めました。「書いてくれてありがとう」と感謝の気持ちが残りました。でもできれば続きを…。せめてと類似作品を探しましたが良作は見つかりませんでした。本当に凶暴な悪役令嬢のお話が増えることを祈っています。

ナラクノアドゥ  評価:75

人類は12の魔王に脅かされ、多くの国が滅び、滅亡の寸前であった。しかし、最も強力な第十二位の魔王、次いで第十一位の魔王が消滅したことで、残った10人の魔王は姿をひそめ、平和が戻っていった。そして、16年後 第10位の魔王モーテムが侵攻を始め、再び人類に滅亡の危機が迫っていた。英雄官アドゥは4人の仲間と共には人々を救うため、魔王モーテムに立ち向かっていくが、あえなく全滅する。モーテムは再度侵攻を始めようと油断したところ、死んだはずのアドゥから致命傷となる攻撃を受ける。実はアドゥの正体は消滅したはずの第十二位の魔王 那落の王であり、人間になるため、全ての魔王を滅ぼすのだと言う。魔王・人間の両方から裏切り者と呼ばれながらも、アドゥは残り9人の魔王を滅ぼすための闘いを続ける。

出典『ナラクノアドゥ』-Wikipedia

山本晋(著) 全6巻 完結済

最強の魔王である那落の王(主人公)は「人間になるため」に全ての魔王を滅ぼしにかかります。那落の王は他の魔王を倒すたびに人間に近づき弱体化していきます。弱体化を補うために人間を利用して他の魔王を倒そうとします。

重厚なダークファンタジーです。

見どころは、この魔王様はちゃんと魔王ムーブをします。

思考も行動も人外のそれです。魔王といっても配下がいないため、魔人や破壊神というほうがしっくりきますが。

(出典:『ナラクノアドゥ』)

最強の存在がレベルダウンしていく設定と、魔王ムーブする希少な作品です。

惜しむらくは4巻あたりから微妙になり、ラスト6巻で打ち切られます…。ただ、1~3巻までは文句なく面白いです。

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