令和になった今でも印象に残っているおすすめのライトノベルを紹介します。
20年前の作品なので時代は感じます。
DDD 全2巻 評価:98
2007年に発売された超大作。月姫やfateで有名な奈須きのこ先生の作品。刺さる人には深く突き刺さります。
全4巻で完結予定と公式にありましたが、2007年に2巻が発売された以降、2023年になっても未だ3巻は出ず。もう続きは出なさそうです…。
本作は、精神異常で異常能力をもった悪魔憑きが暴れるお話。雰囲気は暗く退廃的。月姫やfateよりもダークな感じ。
「悪魔使い」、「A異常症検査」、「アゴニスト異常症患者」、「感情が欠如」、「義手」、「男の娘」と厨二病をくすぐるキーワードが満載。
空の境界が理屈っぽく読みにくかったのに対して、本作は難解な表現は使わずに軽快なタッチで読みやすい。那須きのこ作品の中で文章が最も洗練されています。
1巻ももちろん面白いのですが、特に2巻がおすすめ。
2巻は、野球に縋ることしかできず狂っていったピッチャーとそのピッチャーを英雄視するスラッガーが主役のお話。
このピッチャーの母親は貧困で不幸しか知らないような存在なのですが、これを奈須きのこ特有の残酷で無慈悲、虚無を感じさせる絶望感をネチッこく美しく描写しています。不幸を書かせると天下一だと思います。
小説ドラゴンクエスト5 全3巻 評価:98
スーパーファミコンゲームのドラゴンクエスト5をノベル化した作品。
1993年発売なので30年前に発売された作品。(2023年現在)
もともと5のストーリーは高く評価されていますが、久美沙織先生はそれを芸術に昇華されました。
可憐な妖精や神々しいドラゴン、禍々しい魔物がいる幻想的な世界を見事に描きだした芸術作品です。
全3巻。
1巻は幼年時代。父パパスに憧れ懸命にパパスの背中を追いかけていきます。初めての冒険では、不気味な魔物(ドラキー)に勇敢に立ち向かいます。子供時代の満ち足りた幸せな日々が描かれています。
2巻は青年時代。辛く苦しい奴隷生活の中で折れず腐らず。友を得て、伴侶を得て、仲間を得て成長していきます。
3巻は青年時代の終盤。父となり、子と共に旅を続けます。偉大な父パパスのようになれているかと葛藤しながら。
主人公が父パパスに抱く憧れや敬愛。主人公とビアンカの馴れ初め。しっかりでおませな娘が主人公に向ける敬愛。勇者の重荷を背負う勇敢な息子が主人公にむける憧れ。本当に美しく幻想的なお話です。
海賊島事件 the man in pirate’s island 戦地調停士シリーズ第3巻 評価:96
ブギーポップで有名な上遠野浩平先生の作品、戦地調停士シリーズ。
口先だけであらゆる揉め事を解決する戦地調停士。「弁舌と謀略で歴史の流れを押さえ込む」と言われる彼らが常識では解決不可能な難事件に遭遇します。
現在6巻まで発売中。
戦地調停士シリーズの中でも第3巻の海賊島事件が一番おすすめ。
面白さの面白さはは以下だと思っています。
3巻 > 1巻 > 2巻 >>> 4巻 > 5巻 > 6巻
1巻、2巻、3巻は圧倒的に面白く、4巻、5巻、6巻で少し減速したかと。
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